新保健法を公布、医療機器の市場投入を規制

(アルジェリア)

パリ発

2018年09月07日

アルジェリア政府は、7月29日付46号官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で新保健法を公布した。国内で大きな議論の対象となっていた政府による医療の無償提供は、これまでどおり維持されることとなった。他方で、公立医療部門がアルジェリアの医療制度の主軸と位置付けられている中、政府は民間医療施設を公立医療施設の補完的な存在と新保健法で定めた。民間医療施設は医療費無償の対象にならないが、これまでアルジェリア政府は民間医療施設の役割を正確に法律の中で定めておらず、今回、新保健法で民間医療部門の存在と役割を記載したことは、民間医療部門の自由化に向けた前進と捉えられている。

医療機器については、医療機器の輸入を停止するとの記載はないものの、各種補助により国内生産の拡大を促進することが記載されている。さらに、医療機器の定義の明確にし、厚生・病院改革省の傘下にある国家製薬管理局(ANPP)を医薬および医療機器の登録、認証、検査を実施する機関と定めた。新規医療機器の市場投入に際しては、同局からの認証取得が明確に義務付けられた。これは現地生産品とともに、輸入品についても対象となる。

新保健法では、合計450の条項を通じて医療保健制度の仕組みや財源、法令順守体制、医療倫理に至るまで、包活的に法体系が整備された。また、医療機器の輸入を含め、医療に関する全ての法的条件は厚生・病院改革省の省令により、今後順次公表される予定だ。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア)

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