上半期の海外送金受領額は過去最高の13億8,000万ドル

(ケニア)

ナイロビ発

2018年08月22日

ケニア中央銀行によると、2018年上半期(1~6月)のケニアの海外送金受領額は前年同期比30%増の13億8,000万ドルで、半期としては過去最高だった。1カ月当たりの送金額が2億ドルを超えたのは、2017年は6月だけだったが、2018年上半期は毎月だった。また、全体の84%に当たる約11億6,000万ドルが欧米からの送金だった(添付資料参照)。

ケニアへの送金の特徴に、金融サービスの多様化が挙げられる。銀行経由の場合は、受け手にも口座が必要な上、10%近い手数料がかかり、低所得者にはハードルが高かった。ケニアの通信大手サファリコムは2007年にモバイル経由での送受金サービスのエムペサ(M-Pesa)を開始し、翌2008年には国際送金サービスのウェスタンユニオンと連携し、携帯電話を契約していれば送金の受け取りに手数料が発生しない仕組みを作った。エムペサの利用者は、銀行のほか、マネーグラム、ボーダフォンなど16のパートナー企業のサービスを通じて送金を受けられる。

サファリコムは2017年4月~2018年3月の海外送金受領額が131億ケニア・シリング(約1億3,100万ドル、Ksh、1Ksh=約0.01ドル)だったと公表しており、これはケニア全体の海外送金額の約6%に相当する。また、ケニアの仮想通貨送金サービスのビットペサは、ビットコインを介した国際送金を手掛けており、当地メディアによると、同社の取扱量は1カ月に1,000万ドル相当だという。

ケニアディアスポラ連合によれば、ディアスポラ(就業などのため国外で暮らすケニア人)は世界中に推定300万人いて、2017年のケニアへの送金額はGDPの約2%に相当する。ディアスポラの資産還流はケニアにとって貴重な外貨獲得源となっている。

(久保唯香)

(ケニア)

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