2018年上半期のドバイ来訪者はほぼ横ばいの810万人

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2018年08月16日

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ政府観光・商務局(DTCM)の発表によると、2018年上半期のドバイへの宿泊を伴う来訪者数は前年同期比0.5%増の810万人となり、増加率は10.1ポイント低下した。

来訪者数上位20カ国の中で半数以上の12カ国からの来訪者が減っており、地域や国に限定されず広範囲にわたって減少がみられる(表参照)。特に、全体の約3割を占める上位3カ国インド、サウジアラビア、英国については、増加率がインド3%、サウジアラビア0%と低く、英国にいたってはマイナス5%と減少したことや、2016年に20%増、2017年には41%増と急速な伸びを示していた中国が、2018年上半期は前年同期比9%増と大きく鈍化した影響が大きい。こうした中で、オンアライバルビザ(到着時申請型ビザ)解禁以降、来訪者の急増が続くロシアは、74%増と急拡大した。

表 ドバイへの宿泊を伴う来訪者数

DTCMはメディアの取材に対し、「ドバイは世界で最も訪問者の多い都市になるという構想に向けてまい進しており、2018年上半期に810万人の訪問者を得たことはわれわれの自信になる」と述べた。ただし、ドバイは2020年までに来訪者2,000万人という目標を掲げており、そのためには年率11%程度の来訪者の拡大が必要となる。UAE政府は、48時間以内の滞在ができるトランジットビザの無料化、夏期限定で18歳以下のビザ無料化などの制度改革や、各国機関と連携した観光誘致プロジェクトなどを開催している。2016年における来訪者によるドバイでの消費額は285億ドルといわれ、来訪者の消費市場での位置付けは大きい。2018年下半期に来訪者の増加率が回復するか、動向に注目が集まっている。

(山本和美)

(アラブ首長国連邦)

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