第3の通信事業者選定、政府が条件案公表

(フィリピン)

マニラ発

2018年08月31日

フィリピン情報通信技術省(DICT)は8月23日、「第3の通信事業者」の選定条件の草案に関する公聴会を開催した。公表された草案によると、払込資本金100億ペソ(約210億円、1ペソ=約2.1円)以上、毎秒5メガビット以上の平均通信速度、過去10年以上の通信サービス事業の経験などが選定条件として挙げられた。要求される人口カバー率は表のとおり。

表 第3通信事業者に求められる人口カバー率

DICTのリオ長官代行は候補企業として、PT&Tをはじめ6社のフィリピン企業のほか、韓国のKT、LGユープラス、中国のチャイナテレコム、ベトナムのベトテルテレコム、ノルウェーのテレノールグループなどの外国企業を挙げた。

フィリピンの通信市場は、PLDTとアヤラ財閥系グローブテレコムの2社による寡占が続いている。ドゥテルテ大統領は7月、就任後3回目となる施政方針演説(SONA)において、「2社寡占の通信業界に新しい(3社目の)企業が登場することによって、通信費用の低下や通信環境の改善が期待される」と述べた。

リオ長官代行によれば、入札書類は9月末までに締め切られ、第4四半期(10~12月)に業者選定が終了する見込みだという。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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