不法外国人労働者の取り締まり強化、抜き打ち検査を実施

(マレーシア)

クアラルンプール発

2018年08月10日

マレーシア入国管理局は7月1日以降、通称「オプス・メガ(注)」と呼ばれる不法外国人労働者の取り締まりを全国規模で強化している。2016年2月から断続的に行われてきた、不法外国人労働者を合法化するための再雇用プログラム(2017年2月22日記事参照)が、2018年6月30日で終了したことを受けたもの。ムヒディン・ヤシン内相によると、5月28日までに約75万人の不法外国人労働者が再雇用の手続きを完了したという。マハティール政権下では、任期5年以内に外国人労働者を600万人から400万人に削減することを公約に掲げている。

3週間足らずで3,000人超を逮捕

オプス・メガは、過去2回行われている。1回目は2017年7月1日から、2回目は2018年2月19日から、いずれも2~3カ月程度実施された。3回目となる「オプス・メガ3.0」では、7月1日から19日までの間に1,130回の抜き打ち検査を行い、3,000人以上の不法外国人労働者を逮捕した(「ニュー・ストレーツ・タイムズ」紙7月29日)。入国管理局は、再雇用プログラムを受けていない不法外国人労働者が、通常より軽い罰金を払って自主帰国できる「3+1プログラム」を8月30日まで延長する。同日以降は、取り締まりをさらに厳格化する方針だ。

自社の外国人労働者のビザステータスの確認を

建設現場や工場などでも、就労ビザのステータスを確認する抜き打ち検査が行われている。マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)では、こうした入国管理局による外国人労働者取り締まり強化について、以下の注意喚起を行っている。外国人労働者を雇用する企業は、特に留意が必要だ。

  • 日系企業の工場などにも入国管理局の検査員が抜き打ち検査に来る可能性がある。
  • 検査員が来た場合、外国人労働者のパスポートおよび就労ビザの確認のため、従業員が長時間業務から離れる必要があり、検査終了までに数時間を要することが想定される。
  • 規模が大きい企業は、外国人労働者の中から一定数をランダムで検査される場合がある。
  • 工場内などで勤務する日本人も、就労ビザなどの確認対象となる可能性がある。
  • 人材派遣会社などを通じて間接雇用している外国人労働者についても、就労ビザのステータスを念のため確認しておくことを推奨する。

(注)「オプス」はオペレーションの短縮。「オプス・メガ」は、「巨大作戦」の意。

(田中麻理)

(マレーシア)

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