広深港高速鉄道、9月末開業を前に香港区間の安全を確認

(香港)

香港発

2018年08月23日

香港と広州を結ぶ初の高速鉄道となる「広州-深セン-香港高速鉄道(広深港高速鉄道、以下、高速鉄道)」の香港域内区間について、9月末の営業運転開始に先立ち、香港特別行政区政府(香港政府)の陳帆・運輸・住宅局長は8月16日、安全性および旅客サービスが開始可能な状況になったことを確認したと発表した。

香港域内区間の運行を担当する香港鉄路(MTR)は8月上旬までに、高速鉄道の運行システムの確認作業や、乗務員・駅員の熟練度向上に向けた試運転作業を完了していた。そのほか、MTRは香港政府関連部署に対して、鉄道システム(信号・通信システム、軌道・架線システム、車体を含む)および香港側のターミナル駅である「西九龍駅」の構造上の安全性評価のため、高速鉄道の設計計画書、各種テストの結果報告書、品質管理記録を提出していた。

MTRの梁国権・最高経営責任者(CEO)は「当社は安全性を最も重要視している。優れたプロジェクト管理の枠組みと厳格な手順に基づき、鉄道工事の安全性や品質を検査・監督・モニタリングしている。香港政府関連部署、請負業者、そして当社スタッフの建設から試運転の各段階における協力により、プロジェクトが安全で良好な段階に至ったことが確認されたことに感謝したい」と述べ、「今後MTRは、高速鉄道の営業運転開始に向けた最終準備を進める」とした。また、9月1~2日には市民向けに「西九龍駅」の視察会を開催する。

中国側は乗車券手数料の減額など利便性を向上

香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官および陳局長ら高官は8月15日、中国本土区間で高速鉄道を運行する中国鉄路の陸東福・総経理と会談した。林鄭長官は陸総経理に対し、高速鉄道のダイヤの増便、旅客数に応じたダイヤの柔軟な調整、「西九龍駅」のチケット窓口で高速鉄道以外の中国本土区間の乗車券を購入する際の手数料の大幅減額(注)といった措置を講じたことなどについて、感謝の意を表明した。

(注)「西九龍駅」における手数料は、200元(約3,200円、1元=約16円)以下の乗車券の場合は10香港ドル(約140円、1香港ドル=約14円)、201~300元以下の乗車券の場合は20香港ドル、301元超の乗車券の場合は30香港ドルに設定された。

(吉田和仁)

(香港)

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