京東の無人スーパー、ジャカルタに国外初出店
(インドネシア、中国)
ジャカルタ発
2018年08月30日
中国eコマース大手の京東商城(JD.com)のインドネシア法人JD.IDは8月2日、インドネシア初のスマート店舗である「JD.ID X-Mart」をジャカルタにオープンした。京東の無人スーパーマーケットの国外出店は初めて。無線自動識別(RFID)と顔認証の技術を用いて、無人化を実現した。
店舗は、スカルノ・ハッタ国際空港に近いPIKアベニュー・ショッピングモールにオープンした。店舗面積は270平方メートル。JD.IDプロジェクトマネジャーのイベト・タン氏が地元紙に述べたところによると、今回の出店は、今後、東南アジアでキャッシュレス化が急速に進むという見通しによるものだという。
店舗を訪れたところ、販売されている商品は主に化粧品、衣服、菓子類、ペットボトル飲料などで、生鮮品の取り扱いはない。入店から会計までの流れは以下のとおりだった。
- スマートフォンにJD.IDのアプリをダウンロードし、クレジットカード情報と顔写真を登録する。
- 登録情報に基づき、スマートフォンに表示されるQRコードを入店ゲートにかざす。
- 個人情報が読み取られて入店ゲートが開く。
- 商品を取り、出口に進む。
- 出口に設置されたカメラで顔認証を行い、同時に各商品のRFIDタグから商品情報が読み取られ、自動で会計される。
JD.IDは2016年にインドネシアに進出し、eコマースのマーケットプレイスを運営している。ジェトロが2018年2月に実施した消費者アンケート調査(回答者720人)では、JD.IDの利用率はトコペディア(Tokopedia)やラザダ(LAZADA)に比べて低かったことから、実店舗を出すことで認知度を上げる狙いがあるとみられる。
(山城武伸)
(インドネシア、中国)
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