ギャップが若年層へのジョブプログラムを拡大、日本でも試験実施

(米国)

サンフランシスコ発

2018年08月28日

米衣料品チェーン大手のギャップ(GAP、本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)は8月15日、「This Way Ahead」と呼ばれる若年層を対象にしたジョブトレーニングプログラムを、2018年までに米国、日本、カナダ、英国の53都市の店舗に拡大すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同プログラムは、ギャップのブランド店舗でのコーチングやジョブトレーニングを通じた、低所得層地域の16歳から24歳の若年層に対するサポートを目的に、2007年から開始した。

参加者はギャップ従業員から直接、またはオンラインでジョブトレーニングやメンタリングを受けた後、店舗や配送センターで就労を経験する。インターン中、参加者は、意思決定や目標設定、プレゼンテーションの仕方や意見の相違がみられた際の解決方法など、仕事に必要なスキルを学ぶ。他方で、同プログラムは参加者へのメンタリングを通じて、ギャップ従業員のリーダシップやマネジメントスキルの構築に寄与している。

今回、ギャップは非営利団体Boys & Girls Clubs of Americaとパートナーシップを組み、米国では2018年に22都市、2020年までに60都市でプログラムを提供する予定。同団体は、若年層がギャップとサブブランドの「バナナ・リパブリック」や「オールドネイビー」のショップでトレーニングプログラムを受ける橋渡し役を担う。また、今回初めて、同社ブランド「アスレタ」の選定店舗で試験的に実施する予定。さらに、日本でもNPO法人の多文化共生センター東京とパートナーシップを組み、ギャップやバナナ・リパブリックの選定店舗で試験的に実施する。英国では従来の3都市から11都市に拡大させる。

ギャップのブレント・ハイダー人事部長兼最高人材活用責任者は「私たちは最初の職業経験が持つ普遍的な力を信じている。『This Way Ahead』は、若年層が仕事と生活ともに成功するための必要な経験とスキルを提供する。ギャップにとって、同プログラムは才能を持った将来の従業員の供給源になると同時に、私たちの地域と顧客との関係性をより強固にしてくれるだろう」と述べる。ギャップは、2020年までに1万人の若年層が同プログラムに参加し、2025年までに新規店舗採用の5%が同プログラムの卒業者になることを目標にしている。「This Way Ahead」は、世界のリーディングカンパニーとしてのギャップの将来の人事戦略を見据えている。

(石橋裕貴)

(米国)

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