ハッカソンイベント、大巡礼をテーマにジッダで開催
(サウジアラビア)
中東アフリカ課
2018年08月08日
中東最大規模のハッカソンイベント(プログラミング技術大会、Hackathon of Haji)が初めて「ハッジ(大巡礼)」をテーマに、8月1~3日の3日間、紅海に面したジッダで開催された。
イベントは、サウジのサイバーセキュリティー連盟(SAFCSP)が開催した。毎年約200万人もの巡礼者が訪れるハッジでのさまざまな問題に対し、例えば混雑緩和のためのハッジ専用オンライン決済サービス、地図と顔認証システムを組み合わせた所在地確認のアプリなど、IT技術を駆使したソリューションの提案を目的としており、対象分野は、食料・飲料、公衆衛生、交通、ごみ処理など多岐にわたる。
イベントは、イノベーション促進とテクノロジー分野でのサウジの取り組みを示すものであり、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子のイニシアチブで進められている国家改革戦略「サウジ・ビジョン2030」の目標達成にも寄与すると期待されている。
今回は世界各国から男女含め2万人超の応募があり、うち2,950人が参加。優勝者には100万サウジ・リヤル(約3,000万円、1リヤル=約30円)、2位、3位にもそれぞれ50万リヤル、35万リヤルの賞金が用意された。
日本からも東京大学のチームなど30人ほどが参加し、サウジ国営通信(SPA)は、日本人参加者がサウジの伝統衣装である「トーブ」と「シュマーグ」を身に着けている様子を取り上げ、「サウジ王国と国民への敬意を示した。優勝したらこの衣装を着て表彰台に上がりたい」との言葉を伝えていた。
日本人チームの入賞はかなわず、サウジ人女性4人からなるチームが優勝した。提案したのは、巡礼者の言葉の壁を解決するための翻訳機能アプリで、ハッジ期間中は混雑により携帯がつながりにくいだけに、オフラインでも使用できる点が特に評価されたという。
(閔普鮮)
(サウジアラビア)
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