小売り大手ファラベラの海外事業が拡大

(チリ、中南米)

サンティアゴ発

2018年08月09日

チリの小売り大手、ファラベラ(Falabella)の海外事業拡大が続いている。8月1日には、米州8カ国でeコマース(電子商取引)ビジネスを展開するメキシコのリニオ(Linio)の株式100%を1億3,800万ドルで買収した。リニオのブランドはそのまま継続され、ファラベラによる物流網や顧客網などを活用し、強化が図られる。「買収により、中南米域内でのeコマースのリーダーを確立すべく、新たなステップを踏み出した。リニオのプラットフォームがファラベラの百貨店(Falabella)、ホームセンター(Sodimac)、スーパーマーケット(Tottus)の売り上げを押し上げ、eコマース事業の強化につながる。」と、ファラベラのボッタツィーニCEO(最高経営責任者)はコメントした。

5月17日にファラベラとホームセンターIKEAとの間で南米展開に関するプロジェクトの覚書が締結され、今後10年でチリ、ペルー、コロンビアに最低9店舗を展開、2020年末までにチリ・サンティアゴに1号店をオープンすることが発表された。7月25日には、ファラベラが65%の株式を取得していたブラジルのホームセンター、コンストゥルデコールの残り35%を6,000万ドルで取得したとも発表している。これら3案件に関し、ファラベラは8億ドルの増資を発表し、物流とIT分野への投資を促進する。ファラベラは8月20日に株主総会を開き、8億ドルを調達するため新たに8,433万株を発行するとしている。

(中山泰弘、岡戸美澪)

(チリ、中南米)

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