ドゥケ氏が第60代大統領に就任、42歳の最年少

(コロンビア)

ボゴタ発

2018年08月10日

イバン・ドゥケ氏が8月7日、第60代大統領に就任した。任期は2022年までの4年間。同氏はボゴタ出身の42歳で、歴代最年少の大統領となった。6月の決選投票で、左派で前ボゴタ市長のグスタボ・ペトロ氏に勝利した(2018年6月20日記事参照)。

ドゥケ新大統領は就任演説で、社会、経済、外交の3つの政策の柱に言及した。社会政策については、まず国内のゲリラ組織との和平について述べ、内戦による犠牲者は道徳的、実質的、経済的な補償を必要としているとし、前政権とコロンビア革命軍(FARC)との和平合意の内容を見直すと強調した。一方で、現在も活動を続ける国民解放軍(ELN)に対しては、選挙中は一貫して強硬な姿勢を示していたものの、和平交渉を進める考えを明らかにし、30日以内に慎重かつ責任ある評価を下すと述べた。また和平交渉に際しては、国連やカトリック教会、諸外国の協力を得るとした。国内の格差解消に関しては、幼児教育への包括的なアプローチや、全日制授業の拡大、低所得者向け大学授業料の無償化といった教育制度の改革が必要と語った。

経済政策については、政府の構造改革、税制改革、法的安全性の確保を柱とした経済再生プログラムを実施し、年率4%を超える経済成長を目指すと述べた。具体的には徴税制度を現代化し、電子請求書の導入や管理システムを採用することで不要な経費を削減し、行政手続きの簡素化を図ること、法人税の減税をするかわりに所得の引き上げを提案した。さらに、技術やサービス、社会・自然・労働環境などの改善を試みる認証制度Bコーポレーション(Empresas B)や、クリエーティブ産業、観光、農業分野などにおける起業の促進、資源依存型から脱却し、製造や輸出品目を多様化する目標も掲げた。特に農地開発に力を入れることで、農業分野への投資呼び込みや雇用創出を期待すると述べた。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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