決選投票でウリベ前大統領派のドゥケ氏が勝利

(コロンビア)

ボゴタ発

2018年06月20日

コロンビア大統領選挙の決選投票が6月17日に行われ、民主中道党のイバン・ドゥケ氏が得票率53.98%(1,037万3,080票)と、前ボゴタ市長で左派のグスタボ・ペトロ氏〔41.81%(803万4,189票)〕を抑え、第60代大統領に就任することになった。就任式は8月7日に予定されている。

33県中24県でドゥケ氏が勝利収める

今回の投票率は53.04%で、過去20年の決選投票で最高の投票率を記録した。地域別では、ドゥケ氏は33県中24県で勝利を収め、特にコロンビア第2の都市であるメデジン市を抱えるアンティオキア県では72.53%とペトロ氏の21.97%を大きく引き離した。一方のペトロ氏は、最大の有権者数を有する首都ボゴタ市で53.35%と過半数を獲得するなど、計9県で過半数の票を得たが、ドゥケ氏に230万票ほど及ばなかった。

汚職撲滅や和平合意見直しを強調

ドゥケ氏はボゴタ出身の41歳。米州開発銀行(IDB)や国連での職歴のほか、ウリベ前政権で同大統領の国際顧問を務めた。2014年の国会選挙で民主中道党から立候補し、初当選を果たした。

勝利演説でドゥケ氏は、国の統一に全力をささげ、汚職撲滅、安全保障、和平問題に力を入れると語った。特に和平については、紛争被害者が中心となり、賠償が保証される内容に修正すべきだと述べ、サントス現政権と国内最大の左翼ゲリラ組織FARCが2016年に締結した和平合意を見直す姿勢をあらためて強調した。

ペトロ氏は、ドゥケ氏の勝利は受け入れるが、ドゥケ氏が提案する石油や石炭に頼った経済開発、和平合意の修正、大企業向けの免税への反対勢力であり続けると述べた。なお、3月11日の上下両院選挙結果を踏まえて発足する7月20日以降の国会の議席数は、ドゥケ氏の民主中道党をはじめとする右派が上下院で多数派となっている。

今回の決選投票の結果について、産業界からは歓迎の声が上がっている。コロンビア産業連盟(ANDI)は6月17日、選挙結果が市場と経済に対する信頼性のメッセージを与えたとして、ドゥケ氏への祝福を表明した。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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