産業機械の受注、上半期は好調を維持

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2018年08月14日

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は8月6日、2018年上半期の産業機械市場の動向について、売上高が前年同期比(実質)4%、受注高は7%増加したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。受注は国内が10%、国外は6%増で、国外受注のうちユーロ圏は4%、ユーロ圏外は7%増えた。

同じくVDMAが7月18日に発表した、産業機械分野の従業員数が最も多い南部バーデン・ビュルテンベルク州を対象とした景気調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、米国や英国など主要市場に対する見方が示された。同州産業機械の最大の輸出先である米国は、2017年の輸出額が前年比9%増の約50億ユーロに達し、2018年第1四半期も前年同期比で14%の伸びを記録するなど好調を維持した。

VDMAの同州支部会長マティアス・カンミュラー氏は「トランプ大統領による税制改革が(米国内の)設備投資や消費意欲に新たな刺激を与えた」と指摘する一方、米国における保護主義の台頭や米中間の貿易摩擦、鉄鋼・アルミニウムへの追加関税発動などの動きに警戒感を示した。また、EUと離脱交渉中の英国ビジネスの業績予想については「ネガティブ」と回答した企業が全体の68.8%に上った。2018年は輸出の減少が見込まれるとして、VDMAとしては、EUと英国との間での自由貿易や包括的経済連携協定が締結され、貿易や事業への悪影響が回避されることに期待感を示した。

同調査によると、今後の成長への主な障壁として「地政学的な危機」「貿易障害・関税障壁の悪影響」と答えた企業がそれぞれ31.7%(前年26.0%)、26.0%(22.0%)と増加した(表参照)。なお、項目別では「熟練工の不足」を挙げた企業が64.4%(42.0%)と最も多かった。

表 バーデン・ビュルテンベルク州の産業機械メーカーが感じる今後の成長に向けた課題

(ベアナデット・マイヤー、森悠介)

(ドイツ)

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