2018年上半期の鉱工業生産指数は前年同期比2.3%増

(ブラジル)

サンパウロ発

2018年08月13日

ブラジル地理統計院(IBGE)は8月2日、2018年第2四半期の鉱工業生産指数が前年同期比1.7%増に、2018年上半期としては2.3%増となったことを発表した。第2四半期の実績は5月下旬に発生したトラック輸送業者のストライキの影響を受けている。5月の実績は前月比11.1%減(注1)で、前年同月比では6.6%減と大幅な減少を記録したが、6月は前月比13.1%増、前年同月比3.5%増と回復した。

上半期の実績を財別にみると、資本財が前年同期比9.5%増、中間財が0.9%増、消費財が3.5%増となった(図参照)。中でも、耐久消費財は14.3%増と大幅に増加している。乗用車が15.6%増と牽引したほか、音響・映像家電製品が27.9%増で、サッカー・ワールドカップ(W杯)の好影響を受けたテレビの販売増が貢献したとみられる。高い伸び率となった資本財は、輸送機器向けが18.2%増と牽引した。半耐久・非耐久消費財は0.7%増と、プラス成長ながら低い伸びにとどまっている。

図 2018年上半期の財別鉱工業生産指数(前年同期比)

リオデジャネイロ連邦大学のマルガリーダ・グティエレス教授は、5月の鉱工業生産指数のマイナスは6月に完全に取り戻したといえるが、トラック輸送業者のストライキの影響は今後も残るとみている。その根拠として、産業界の信頼指数が低水準のままにあることを挙げた(「バロール」紙8月3日)。ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)の産業信頼指数(注2)は2018年6月、7月の値がともに100.1ポイントで、5月時点の101.1ポイントに比べて低いままとなっている。

(注1)最新の統計で数値が改定。

(注2)FGVの産業信頼指数100は2010年7月~2015年6月の平均をとったもの。

(二宮康史)

(ブラジル)

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