長城汽車とBMWの合弁、張家港で新エネ車を生産

(中国)

上海発

2018年08月20日

長城汽車と江蘇省張家港市政府は8月13日、長城汽車とドイツBMWの合弁会社である光束汽車の完成車生産の合弁投資協議書に署名した。署名式には江蘇省の呉政隆省長、蘇州市の周乃翔書記、張家港市の朱立凡書記、黄戟市長、長城汽車の魏建軍董事長らが出席した。

完成車の生産は張家港市経済技術開発区で行われる。報道によれば、光束汽車はBMW-MINI系列の電気自動車(EV)を含む新エネルギー車(NEV)を生産するほか、内燃車の研究開発と生産、関連部品の生産も行う。新エネ車の生産計画は年間16万台、投資総額は51億元(約816億円、1元=約16円)という。

中国におけるBMWの合弁パートナーはこれまで華晨汽車のみだったが、2018年7月10日に李克強首相とドイツのメルケル首相立ち合いの下で長城汽車との合弁契約に署名し、長城汽車がBMWの2社目のパートナーとなった。光束汽車の資本金は17億元、本社は張家港市に登記されている。

中国では新エネ車規制(注)により、自動車メーカーは2019年から毎年10%のNEVの製造・販売を義務付けられることになり、各メーカーは中国におけるNEVの製造や市場投入を発表している。

7月10日には、米国のテスラが国外で初となるEV生産工場を上海市の自由貿易試験区に建設することで上海市と合意しており、最終的には年間50万台の生産を計画している。華東地域においてもNEVの生産が進みつつあり、部品のサプライチェーン構築が必要となるため、自動車部品・素材関連産業にもビジネスチャンスが広がることが期待されている。

(注)規制対象のNEVはEV、プラグインハイブリッド車、燃料電池車のことでハイブリッド車は含まれていない。

(高橋大輔)

(中国)

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