日産、コルドバ新工場で生産開始

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2018年08月06日

日産は7月30日、アルゼンチン第2の都市コルドバの新工場の開所式を催した。同工場ではピックアップトラック「フロンティアNP300」を生産する。プレスリリースによると、年間生産台数は、ダイムラーとルノー分を合わせて最大7万台を目指し、その半分を国内市場向け、半分を輸出する計画で、最初の輸出先はブラジルの予定だ。直接雇用で1,000人、間接雇用でも2,000人の創出を見込んでおり、地域経済への波及も期待されている。

マウリシオ・マクリ大統領は開所式の式典で、アルゼンチンの自動車産業界が再び世界とつながろうとしていると述べ、日産による総額6億ドルの投資を歓迎した。マクリ政権は2023年までに国内の自動車生産100万台達成の計画を打ち出しているが(2017年10月16日付地域・分析レポート参照)、カギとなるのはピックアップトラックのカテゴリーである。2017年の国内生産台数は約47万台で、そのうち約27万台(約67.5%)を占めるピックアップトラックの生産台数を、2020年までに40万台へ引き上げたい考えだ。

日系自動車メーカーの拠点設置は、トヨタ、ホンダに続く3社目で、中部のコルドバへの進出は初めて。日産は中期的にアルゼンチンにおける販売台数のシェアを3%から10%までに引き上げたいとしている(「クラリン」紙7月31日)。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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