7月のCPI上昇率は前月比0.2%、4カ月連続プラスに

(米国)

ニューヨーク発

2018年08月16日

労働省が8月10日に発表した2018年7月の消費者物価指数(CPI)は前月比(季節調整値)0.2%上昇し、4カ月連続のプラスとなった(6月:0.1%上昇)。家賃(0.3%)や運輸サービス(0.5%)などが上昇に寄与した。食料品は0.1%上昇とプラスになった一方で、エネルギーは0.5%下落と前月(6月:0.3%下落)に続き低下した。

米連邦準備制度理事会(FRB)などが重視している、エネルギーと食料品を除いたコア指数も前月比0.2%上昇した。コア指数を品目別にみると、婦人・女児衣服(前月比1.8%下落)や医薬品(0.8%下落)などが押し下げ要因になったものの、前述の家賃や運輸サービスなどが押し上げに寄与した。

前年同月比の上昇では6年5カ月ぶりの高水準

前年同月比については、CPIが2.9%上昇となり、2012年2月(2.9%上昇)以来、6年5カ月ぶりの高い伸びになった。コア指数も2.4%上昇し、2008年9月(2.5%上昇)以来、9年10カ月ぶりの伸びだった。

コア指数に含まれないエネルギーが前年同月比12.1%上昇(6月:12.0%上昇)、食料品が1.4%上昇(6月:1.4%上昇)といずれもプラスとなった。

オックスフォード・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は、中国など諸国との貿易紛争による関税賦課が徐々に生産者物価や消費者物価に転嫁され、今後インフレ圧力が緩やかに高まっていくだろう、との見通しを示した。また、同氏は「(政府の)財政刺激策によって支えられる堅調な経済の勢いは、さらなるインフレ(圧力)につながっていくだろう。年末までのFF金利の利上げの影響も見込まれる」と指摘した(「フィナンシャル・タイムズ」紙8月10日)。

(樫葉さくら)

(米国)

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