ペトロブラスの上半期純利益、2011年以降の最高水準に

(ブラジル)

サンパウロ発

2018年08月13日

国営石油会社ペトロブラスが8月3日に発表した2018年第2四半期決算によれば、上半期(1~6月)における純利益が170億レアル(約5,100億円、1レアル=約30円)と前年同期の48億レアルから大幅に増加した。2011年以降の半期決算で最も高い純利益だったとする。同社ではこの要因について、国際原油価格の上昇と同時に、通貨レアル安の影響で輸出マージンが拡大した点、負債削減に伴う金利負担の軽減、管理費の削減、設備稼働率の上昇を挙げた。

同社の資料によれば、ブレント原油価格は2017年第2四半期に1バレル50ドルだったのが、2018年第2四半期は74ドルに上昇し、その一方で外国為替は1ドル=3.22レアルから3.61レアルへと現地通貨安で推移した。純債務は2018年第2四半期に737億ドルとなり、前期比9.5%減少した。純債務の利払い前・税引き前・減価償却前利益(EBITDA)比は、第2四半期に3.23と、前期の3.52から低下しており、財務状況の健全化に向けて進んだかたちだ。

一方で、原油・天然ガス生産量(海外生産を含む)は2018年上半期に日量266万9,000バレルと前年同期比4.%減少している。ロンカドール油田など一部の油田売却が要因だ。なおペトロブラスでは、上半期の資産売却に伴う収入について50億ドルとしている。売却先として戦略的なパートナーに挙げられているのは、ノルウェーのエクイノール(旧スタットオイル)、エクソンモービル、BP、フランスのトタル、中国のCNPCだ。中でも、エクイノールのエルダー・サエトレCEO(最高経営責任者)はブラジルの経済誌のインタビューで、2030年までに150億ドルをブラジルの石油開発などに投じる計画を述べている(「EXAME」誌7月19日付)。

(二宮康史)

(ブラジル)

ビジネス短信 56d28bd0ab031340