7月の自動車販売、乗用車は9カ月ぶりに減少

(インド)

ベンガルール発

2018年08月22日

インド自動車工業会(SIAM)は8月10日、7月の自動車販売台数を発表した。一般乗用車が前年同月比0.4%減の19万1,979台、多目的自動車(UV)は9.0%減の7万9,092台と、ともに減少した。一方、バンは2.8%増の1万9,889台となり、乗用車全体(一般乗用車、UV、バンの合計)の販売台数は2.7%減の29万960台と、9カ月ぶりのマイナスとなった。

SIAMは7月の販売落ち込みの背景を、「物品・サービス税(GST)の導入を受けて、前年7月の乗用車販売が急増したことの反動」とみている。GST導入前は、消費者の不安感やメーカーの出荷自粛などで販売が減少していたが、導入後は自動車への大幅な増税などもなく、急回復していた。

メーカー別の一般乗用車の月間販売は、首位のマルチ・スズキが前年同月比0.3%増の11万2,131台、2位の現代は1.8%増の3万2,908台といずれも1桁台の伸びにとどまった。「セレリオ」「イグニス」「ディザイア」など主力の小型車が引き続き乗用車全体の販売に6割以上を占めた。またホンダは「アメイズ」の好調な売れ行きを背景に、43.2%増と高い伸びが続いている。7月の販売台数は、主要メーカー13社中5社がプラスとなった。

二輪車部門は、スクーターの販売台数が都市部の需要を中心に、前年同月比5.1%増の59万8,976台、また、オートバイも農村部を中心に9.7%増の115万995台となり、それぞれプラスを維持した。メーカー別のスクーター販売は、首位のホンダが0.5%増の34万5,602台、2位のTVSモーターが25.2%増の11万2,238台と堅調な伸びを続けている。一方、ヒーローは21.2%減の5万3,086台と前月に引き続き減少した。

メーカー別のオートバイ販売は、首位のヒーローが前年同月比12.2%増の61万197台、2位のバジャージが22.1%増の20万1,443台とそれぞれ大幅な伸びを維持した。一方、3位のホンダは3.0%減の16万2,987台に落ち込んだ。二輪車全体の販売台数は8.2%増の181万7,077台だった

商用車(前年同月比29.7%増、7万6,497台)および三輪車(46.2%増、6万341台)を含む自動車全体の7月の販売台数は、8.1%増の224万4,875台だった。SIAMは今後の見通しについて、「GST導入に伴う販売急増の反動で、各部門の販売が少し鈍化したが、基本的に自動車産業は回復基調にある。農村部の需要拡大や9~12月の祝祭シーズンの特需により、向こう数カ月で販売が促進される」との見方を示した。

(ディーパック・アナンド)

(インド)

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