インフレ高進、6月のCPI上昇率は5.4%に

(ルーマニア)

ブカレスト発

2018年08月08日

ルーマニア国家統計局(NIS)の7月11日の発表によると、6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比5.4%となり、国立銀行が目標とする1.5~3.5%を上回った(図参照)。2017年7月から1年間のCPI平均上昇率は3.6%と高い水準にある。6月のCPI上昇率を商品別にみると、食品3.86%、非食品7.82%、サービス2.58%だった。

また、6月のCPIを2017年12月時点と比べると、食品分野では、野菜および野菜の缶詰が11.96%、果物および果物の缶詰が10.66%と伸び率が大きかった。非食品分野では、燃料が6.18%、たばこが3.68%、電力が2.46%上昇した。

図 CPI上昇率の推移(前年同月比)

急速なインフレをもたらしているのは、天然ガスおよび電気料金の上昇、最低賃金上昇に伴う生産コスト高、ユーロに対する通貨レイ安などとみられる。

国立銀行が5月に発表した「インフレーション・レポート」によると、2018年末のCPI上昇率は3.6%、2019年は3.0%程度の上昇に落ち着く見通しだ。インフレを抑制するため、国立銀行は2018年に入って政策金利を3回引き上げ、1月時点で1.75%だった金利は5月には2.5%になった。

(ミンドル・ユニアナ)

(ルーマニア)

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