上半期の自動車生産台数も10.0%増とプラス成長に

(マレーシア)

クアラルンプール発

2018年08月01日

マレーシア自動車連盟(MAA)は7月19日、2018年上半期(1~6月)の生産台数を前年同期比10.0%増の28万947台と発表した(表参照)。新車販売台数の減少に伴い、生産台数も近年は減少傾向にあったが、2015年下半期以来のプラスに転じた。生産台数が2桁増となるのは、2012年下半期以来となる。

表 自動車生産台数の内訳

タックスホリデーを見据えた生産増

6月1日から8月31日までの物品・サービス税(GST)の免税措置(タックスホリデー)期間中の新車需要の増大を見越し、各社は生産台数を増やした。MAAによると、モデルによっては既に在庫不足が生じており、納品まで2~3カ月待ちの状態だという。

生産台数の主要メーカー別内訳をみると、シェア1位の第2国民車メーカー、プロドゥアが前年同期比27.5%増の12万5,796台と、3年ぶりに10万台を超えた。他方、第1国民車メーカーのプロトンは2万2,733台と34.0%減少した。

国民車以外では、シェア2位のホンダが4.5%増の5万3,180台で、トヨタが1.2%増の2万8,601台となった。トヨタは、乗用車が4.1%減だったものの、商用車が14.2%増と2桁増になった。

第3国民車には業界から反対の声

マハティール首相が6月11日、日本訪問中に発表した新国民車構想については、業界から反対の声が相次いでいる。MAAのアイシャ・アフマド会長は「マレーシアの市場は60万台規模と小さく、第3の国民車の存在は必要ない」と強調した。

また、MAAによると、2018年に発表予定の新たな国家自動車政策(NAP)については、新政府内で検討段階だという。

(エスター頼敏寧)

(マレーシア)

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