「海外産業園区」を通じたビジネス展開をPR

(中国、香港)

香港発

2018年08月22日

香港特別行政区政府(香港政府)の商務経済発展局は8月14日、中国政府で国有企業など国有資産の管理・監督を行う国務院国有資産監督管理委員会(以下、国資委)と、中央企業(注1)が海外で展開する「海外産業園区」(注2)の投資環境を紹介するセミナーを香港で共催した。国資委や中央企業、香港の業界団体関係者らが出席した。

セミナーで商務経済発展局の邱騰華局長は、「『海外産業園区』は、中国本土と香港が共に海外へ展開し、『一帯一路』市場の開拓を共同で進める上での理想の出発点だ。中央企業は中央政府が推進する『一帯一路』構想を実行する上での建設・設計主体、投資主体、リード役であり、『海外産業園区』への投資、設計、計画、建設、企業誘致、運営などに従事し、企業の現地への投資、新たな市場開拓を促進している」として、「投資・資金調達、物流、法律、会計、エンジニアリング、管理などプロフェショナルサービスの面における香港の独特の優位性や香港企業が有する過去の経験は、『海外産業園区』の発展に貢献できるほか、中央企業との連携を通じて、『一帯一路』構想における新たなチャンスを開拓することもできる」と述べた。

その上で、邱局長は、「香港企業は、自らが熟知している(国際的なビジネス)ルールや規則に基づき、『海外産業園区』を活用することで、『一帯一路』(沿線)市場を開拓していくことも検討できるのではないか」と、海外展開に当たっての園区活用のメリットを強調した。

セミナーでは、「海外産業園区」を運営する中央企業3社(招商局集団、中国交通建設集団、中国建材集団)が、園区建設の経験や企業誘致に関する政策、税制、法制度など現地の投資環境を紹介した。

このうち招商局集団は、運営するアフリカ・ジブチの「ジブチ国際自由貿易区」およびベラルーシの「中国ベラルーシ工業園」の事例を紹介した。中国ベラルーシ工業園については、在香港の中国企業が組織する香港中国企業協会および香港の貿易促進機関である香港貿易発展局(HKTDC)が2017年11月、中国企業および香港企業からなるミッションを派遣し、視察している。

(注1)国資委が出資者として管理・監督を行う大型国有企業。2017年12月時点の中央企業数は96社。

(注2)中国企業が海外で展開する工業団地。「中国境外経貿合作区」(以下、合作区)とも称される。商務部によれば、2017年末時点で44カ国に合計99カ所の合作区が設置されており、うち56カ所は「一帯一路」沿線国に位置している。合作区の詳細情報はウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(中国語)に掲載されている。

(中井邦尚)

(中国、香港)

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