習国家主席がモーリシャスへ初の公式訪問、「一帯一路」への協力を確認

(モーリシャス、中国)

ヨハネスブルク発

2018年08月02日

中国の習近平国家主席は7月27日から3日間、モーリシャスを初めて公式訪問した。今回の中東・アフリカ5カ国歴訪で、アラブ首長国連邦(UAE)、セネガル、ルワンダ、南アフリカ共和国に続く最後の訪問先となった。

モーリシャスのプラビン・ジャグナット首相との会談では、7億5,000万モーリシャス・ルピー(約24億7,500万円、1ルピー=約3.3円)の無償資金協力が約束されたほか、「一帯一路」政策への協力に関する署名がなされたと報じられている。習国家主席はモーリシャスの歓待に謝意を伝え、「今回の公式訪問は2国間の友好関係を強固にするものだ」と強調した。ジャグナット首相は中国による支援に感謝の意を述べるとともに、9月に北京で開催される第7回中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)への参加の意向を表明した。

モーリシャスは19世紀に中国からの移民を受け入れた歴史があり、現在も1万人以上の中国系が住んでいるといわれている。また、モーリシャスは1972年、毛沢東時代に中国と国交を樹立しており、習指導部もモーリシャスとの外交関係を引き続き重視しているとみられ、両国は自由貿易協定(FTA)の締結に向けても交渉中だ。中国はモーリシャスにとって最大の輸入相手国で、主要輸入品目は衣料品、電気製品、金属。モーリシャスからは中国向けに主に特産のサトウキビを輸出している。中国はジンフェイ経済貿易区に投資しているほか、国際空港や病院、ダム建設事業に資金供与している。今回の習国家主席訪問の機会に合わせ、2国間の租税協定、投資促進保護協定、労働協定が締結されたと報じられている。

(高橋史)

(モーリシャス、中国)

ビジネス短信 196fe9ced2731eab