経済・財政相が解任、政策に批判

(モロッコ)

ラバト発

2018年08月17日

モハメッド6世国王は8月1日にエル・オトマニ首相と協議後、モハメッド・ブーサイド経済・財政相を解任した。ブーサイド氏は2013年から経済・財政相を務めていた。

解任理由の詳細は明らかにされていないが、モロッコ中央銀行と会計検査院が国王に提出した報告書の中で、経済・財政省の政策は厳しく批判され、改革が求められていた。中央銀行は年間報告の中で、政府は物価の現状を考慮して貧困世帯の支援に注力した包括的な政策を整備するべきで、年金基金の財源不足も緊急の課題としていた。

現地メディアは、国内で毎年約8,000社が倒産し、失業率は改善せず、付加価値税(VAT)の還付が滞るなど、経済・財政政策の不備を指摘している。また、アルホセイマ市などの北部開発事業の遅れも解任の一因とみる向きも多い。同地区開発の遅れに関しては、2017年以来、複数の閣僚、政府高官が国王により解任、処分されてきた(2018年3月9日記事参照)。

ブーサイド氏解任の翌日、オトマニ首相はアブデルカデル・アマラ設備・運輸・ロジスティクス・水利相を経済・財政相代行に任命した。新経済・財政相の任命は議会が再開される8月下旬以降になるだろうと述べている。

(本田貴子)

(モロッコ)

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