第2四半期のGDP成長率は前年同期比2.8%、製造業が回復

(コロンビア)

ボゴタ発

2018年08月20日

コロンビア国家統計局(DANE)の発表によると、2018年第2四半期の実質GDP成長率は2.8%だった(表1参照)。前年同期を1.1ポイント、第1四半期を0.6ポイント上回った。また、上半期の成長率は2.5%だった。

表1 産業別実質GDP成長率(前年同期比)

産業別にみると、12分野中10分野がプラス成長となり、中でも科学・技術(成長率:6.6%)、農林水産(5.9%)、行政・防衛(5.3%)、製造業(3.7%)、商業(3.6%)、芸術・エンターテインメント(3.4%)の6分野は、全体平均を上回った。製造業は5四半期ぶりにプラス成長に転じた。家具・マットレス(9.2%)、食品・飲料・たばこ(6.1%)、木材・紙製品(4.4%)などが成長を牽引した。

建設と鉱業は不振が続く

一方、建設(成長率:マイナス7.6%)や鉱業(マイナス2.7%)は不振が続いている。建設が前年同期の成長率より5.8ポイントも低下した背景には、大統領選挙前4カ月間の公共調達を禁止することで汚職防止を目的とした法律(Ley de Garantias)により、大規模インフラ事業が先送りされた影響がある。禁止期間は2018年1月27日から6月17日までで、実質5カ月間だった(注)。

鉱業は前年同期より0.4ポイント上昇したものの、引き続きマイナス成長だった。内訳をみると、金属鉱物採掘がマイナス20.3%と4四半期連続でマイナス20%超を記録しており、成長の足かせになっている。

消費者信頼感指数が回復傾向に

高等教育開発基金(Fedesarrollo)によると、2018年6月の消費者信頼感指数は15.5%と、2015年2月以降の最高値を記録した(表2参照)。4月に27カ月ぶりにプラスに転じて以降、順調な回復傾向にある。社会経済階層別では、上位層の伸びが著しい。主要都市の住宅購入意欲指数をみると、全ての都市において前年同期比でプラス成長となり、不振が続く建設業にとっては好材料となりそうだ(表3参照)。前月比では特にカリ市での伸びが目立つ(55.0ポイント上昇)。

表2 社会経済階層別消費者信頼感指数
表3 主要都市別住宅購入意欲指数

8月7日に就任したイバン・ドゥケ大統領は、政府の構造改革、税制改革、法的安全性の確保を柱とした経済再生プログラムを実施し、年率4%を超える経済成長を目指すとしている。

(注)大統領選挙は5月27日に実施され、有効票の過半数を獲得した候補者がいなかったため、6月17日にイバン・ドゥケ氏とグスタボ・ペトロ氏による決選投票が行われ、前者が勝利した。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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