アルゼンチンの乳製品メーカー大手が日本市場に参入
(アルゼンチン)
米州課
2018年08月17日
アルゼンチンのサンタフェ州に本社を構える大手乳製品メーカーのサン・イグナシオが8月1週目に、ドゥルセ・デ・レチェを日本に同社としては初めて輸出した。輸出量は1.7トンで、船便で約90日間で日本に到着する。販売地は東京、大阪、神戸、横浜を予定している。
ドゥルセ・デ・レチェとは、中南米全域において伝統的に家庭で消費されている半液体状ミルクキャラメルで、メキシコではカヘタ、コロンビアではアレキペ、チリではマンハルとも呼ばれている。特にアルゼンチンではドゥルセ・デ・レチェをクッキーで挟んだアルファフォレスという菓子は、多くの国民に親しまれている。
サン・イグナシオは北米、欧州、中東、中南米の計22カ国に製品を輸出しているが、アジアへの輸出実績はフィリピンのみ。2017年の輸出額は3億6,000万ドルで、生産量の約11%が輸出向けだ。同社は欧州市場拡大のため、英国小売業協会(BRC)が1998年に開始したBRC認証を2003年に取得している。取得に際しては、HACCPの手法を用いた食品安全管理や原材料の納入先の確認、ハイリスクエリアの物理的遮断など諸条件のクリアが求められる。
サン・イグナシオのフアン・パトリシオ・アンダーソン輸出マネジャーによると、「日本市場参入までに2年以上を要した。消費者の高品質製品への関心度は中国より高く、日本への輸出を優先した。しかし、事前の成分分析に要求される情報の開示レベルは欧州よりも厳しい」とのことだ(「iプロフェッショナル」紙8月9日)。
(志賀大祐)
(アルゼンチン)
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