上半期の貿易黒字は約33億ドル、過去最高に

(ベトナム)

ハノイ発

2018年07月24日

ベトナム税関総局によると、2018年上半期の輸出は1,141億8,900万ドル(前年同期比17.0%増)、輸入は1,108億2,600万ドル(10.5%増)だった。貿易収支は33億6,300万ドルと、過去最高の黒字になった。

内外資本別の貿易収支は、外資企業が150億9,500万ドルの黒字(前年同期:83億2,500万ドルの黒字)、国内企業が117億3,200万ドルの赤字(110億1,700万ドルの赤字)となっている。

主要国・地域別では、輸出相手先1位は米国で215億9,800万ドル(前年同期比9.8%増)、輸入相手先では1位が中国で301億9,200万ドル(12.8%増)だった(表1参照)。貿易赤字相手国1位の韓国は、赤字幅が前年同期比で13.4%縮小している。韓国系企業の生産拠点が増加し、無線通信機器などの完成品輸出が増加したことが一因とみられる。

表1 ベトナムの主要国・地域別輸出入(通関ベース)

主要品目別にみると、輸出では、1位が「電話機・同部品」で226億1,800万ドル(前年同期比16.0%増)で、2位「縫製品」、3位「コンピュータ電子製品・同部品」となった(表2参照)。このうち「縫製品」は堅調な成長を続けており、今後も「包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)、いわゆるTPP11」やベトナム・EU自由貿易協定(FTA)の発効を控え、オーストラリアなどCPTPP加盟国やEU市場への輸出増加が見込まれる。

表2 ベトナムの主要品目別輸出(通関ベース)

輸入では、1位が「コンピュータ電子製品・同部品」で197億7,200万ドル(前年同期比14.9%増)で、2位「機械設備・同部品」、3位「織布・布地」と続いた(表3参照)。第1四半期に3位だった「電話機・同部品」は4位に下がった。サムスン電子などのサプライヤーが当地へ進出し、現地調達率が増加したため、輸入が減少したとみられる。

表3 ベトナムの主要品目別輸入(通関ベース)

(柴田知賢)

(ベトナム)

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