スイスのグレンコア、地場燃料小売り4位アレの株式取得を発表

(ブラジル、スイス)

サンパウロ発

2018年07月04日

スイスの資源会社グレンコアは6月29日、ブラジル4位の地場燃料小売会社であるアレ(ALE)の株式78%を取得すると発表した。取得額は公表されておらず、政府当局の承認をもって完了する。グレンコアは同社ウェブサイトに発表したコメントで、「アレへの投資は、成長するブラジルの自動車燃料市場への最初の一歩で、拡大する需要の大部分が輸入で賄われる国内燃料市場において、グレンコアに有利な条件をもたらす強固なプラットフォームになる」としている。

国家石油・天然ガス・バイオ燃料監督庁(ANP)の資料によれば、ブラジルのガソリン(エタノールを含有しないAタイプ)輸入量は2017年に前年比53.4%増の449万立方メートル、2018年第1四半期には前年同期比20.3%減の124万立方メートルだった。

ANPによれば、ブラジル国内のガソリンスタンド数は2018年5月末時点で4万2,290拠点ある。企業系列のガソリンスタンド数は上位から順に、国営石油会社ペトロブラス系のBRが7,549拠点(17.9%)、地場民間資本のイピランガが5,907拠点(14.0%)、ロイヤル・ダッチ・シェルと地場エタノール企業コザンが出資するRaizenが4,794拠点(11.3%)、アレが1,242拠点(2.9%)となっている(注)。

なお、2018年第1四半期における燃料販売量は、ガソリン(無水エタノールを27%含有するCタイプ)が前年同期比9.5%減の1,015万立方メートル、含水エタノールが44.4%増の399万立方メートル、ディーゼルが1.8%増の1,308万立方メートルとなっている。第1四半期の燃料販売量でアレのシェアをみると、ガソリンで5.6%、含水エタノールで2.2%、ディーゼルで3.3%を占める。

(注)ブラジルのガソリンスタンドには、どの企業系列にも属さないガソリンスタンド(Postos Bandeira Brancaと称される)が1万8,349拠点(全体の43.4%)ある。

(二宮康史)

(ブラジル、スイス)

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