インダストリー4.0サミットに首相はじめ1,800人参加

(ベトナム)

ハノイ発

2018年07月26日

政府と共産党中央経済委員会は7月12~13日、ハノイ市内のホテルで「インダストリー4.0サミット」(Industry 4.0 Summit)を開催し、グエン・スアン・フック首相をはじめ、関係大臣、国際機関、企業代表者ら約1,800人が参加した。ハイレベル政府フォーラム、スマート製造業、スマートシティーなど5つのセッションに分かれて議論が行われたほか、国際展示会も開かれ、出展した50社は来場者にインダストリー4.0の取り組み事例を紹介した。

ハイレベル政府フォーラムの場でフック首相は、インダストリー4.0の潮流に乗り遅れないよう、企業と連携して取り組むよう関係省庁に指示した。また、ブー・ドク・ダム副首相は「インダストリー4.0の導入主体は企業であり、研究所や大学などは支援する立場だ」と述べ、ヒトとモノが効果的に連結することで堅調な経済発展につながることへの期待を示した。チュー・ゴック・アイン科学技術相は、インダストリー4.0の導入における5つの重点項目である、(1)情報通信技術(ICT)のインフラ整備および人材育成、(2)投資環境改善・企業発展強化、(3)電子政府導入、行政手続きの簡素化、(4)スタートアップ・エコシステム(起業家を育成する仕組み)の構築促進、(5)インダストリー4.0に適応した教育の導入、を強調した。

インダストリー4.0に商機を見いだす企業も

スマート製造業のセッションでは、北部ハイフォン市に自動車工場を建設中のビンファースト(Vinfast)の代表者が、「高品質モデルの国産車を生産するため、インダストリー4.0による最先端技術を積極的に取り入れる」と述べた。同社は人材育成の一環として「ビンファースト技術者訓練センター」を設置し、8月から電気・機械工学を中心に200人の受け入れを開始する予定だ。

外資系企業では、産業用ロボットを販売するスイスのABBや韓国のサムスンなどが出展し、政府の推進政策が生み出す新たな商機を狙っている様子がうかがえた。

写真 ハイレベル政府フォーラムの様子(ジェトロ撮影)
写真 展示会の様子(ジェトロ撮影)

(グエン・ラン)

(ベトナム)

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