天津市、2018年賃上げ基準ラインを7.5%に引き下げ

(中国)

北京発

2018年07月04日

天津市は7月2日、2018年の賃上げ基準となる賃金ガイドラインを発表し、基準ラインを7.5%、上限ラインを12%、下限ラインを3%とした。ただし、天津市の最低賃金〔月額2,050元(約3万4,850円、1元=約17円)〕を下回ってはならないとしている。基準ラインおよび上限ラインは前年と比べそれぞれ1.5ポイント、2ポイント引き下げられ、下限ラインは4年連続で据え置かれた(図参照)。

図 天津市の賃金ガイドラインの推移

天津市は併せて、次の内容を発表した。

  • 宿泊・飲食業、建築業、リースおよび商業サービス業、水利環境・公共施設管理業、小売・卸売業、運輸倉庫および郵送業、住民サービス業などの賃金ガイドラインは天津市人力資源・社会保障局が別途公表する。
  • 企業は自社の経済的便益や人件費を勘案し、賃金ガイドライン、労働市場の給与水準などを踏まえ、賃金調整を行う。具体的には、(1)前年度の平均賃金が天津市の平均賃金(2017年:月額5,607元)以下の企業は、賃金上昇率を賃金ガイドラインの基準ライン(7.5%)と上限ライン(12%)の間で調整すること、(2)前年度の平均賃金が天津市の平均賃金を上回り、3倍未満だった企業は、賃金上昇率を賃金ガイドラインの下限ライン(3%)と上限ラインの間で調整すること、(3)前年度の平均賃金が天津市の平均賃金の3倍以上の企業は、原則として賃金上昇率が賃金ガイドラインの基準ラインを上回らないよう調整すること、(4)賃金ガイドラインに沿った賃上げを行わない企業は従業員にその理由を説明すること。
  • 賃金団体交渉を実施する企業は「天津市賃金団体交渉条例」の規定により、賃金ガイドラインに基づき交渉を行い、賃金団体協議書を締結し、賃金上昇率を取り決めるが、天津市に所属する単独資本国有企業、国有持ち株会社などは賃金ガイドラインに基づき賃金上昇率を決める。

なお、2017年の天津市の従業員平均賃金は、天津市人力資源・社会保障局が2018年3月30日に発表した「2017年度の従業員平均給与と2018年度の給与・社会保障納付基数などに関する通知」に基づき、月額5,607元となり、名目で前年比6.5%上昇した。上昇率は前年から横ばいだった。

(鄭慧)

(中国)

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