上半期の貿易、輸出入とも2桁増

(中国)

北京発

2018年07月26日

海関(税関)総署の7月13日の発表によると、2018年上半期の貿易総額は前年同期比16.0%増の2兆2,059億ドルで、輸出は12.8%増の1兆1,728億ドル、輸入は19.9%増の1兆331億ドルといずれも増加した(表参照)。

海関総署の黄頌平報道官は、第2四半期の貿易が好調だったとして、世界経済が回復しており外需が高まったこと、国内経済の安定により内需も好調を維持していることなどをその要因に挙げた。

輸出を海関の分類に基づく品目別にみると、自動データ処理設備・部品は792億ドル(前年同期比14.0%増)、携帯電話機・部品は769億ドル(18.7%増)、集積回路は385億ドル(31.1%増)などと、ハイテク関連品目が大きく伸びた。一方、アパレル・衣類関係は692億ドル(2.0%減)となるなど、労働集約型の輸出品目は不振が目立った。

輸入では、集積回路は1,467億ドル(32.0%増)、原油は1,113億ドル(36.0%増)などと大きく伸びた。一方で砂鉄・その精鉱は前年同期比7.9%減の373億ドル、自動車・自動車用シャーシは2.3%減の231億ドルとなった。

国・地域別に貿易総額をみると、上位5カ国・地域がいずれも2桁増となった。

表 2018年上半期と第1四半期の国・地域別貿易額

米国との貿易をみると、輸出が前年同期比13.6%増の2,178億ドル、輸入が11.8%増の840億ドルで、貿易黒字は1,338億ドル、13.8%増となった。

米国の追加関税見越し駆け込み輸出

商務部国際貿易経済合作研究院国際市場研究所の白明副所長は、6月単月の対米輸出額が426億ドル(対米黒字額は290億ドル)と、現行の統計が始まった1999年以来の最高水準となったことについて、「米中貿易紛争により追加関税が課されることを見越した駆け込み輸出が見られた」と指摘した(「21世紀経済報道」7月16日)。

米中貿易紛争の影響について黄報道官は、「米中間の貿易に間違いなく影響を与える上、世界の貿易にとっても非常にマイナスの影響をもたらす」と述べ、影響の程度については「しっかり見極める必要がある」とした。下半期の貿易の見通しについては「個別国の保護主義的措置の実施など、不確定要素が比較的多いことが押し下げリスクになる」とした一方、「海関としては、輸出入貨物の通関の利便性向上、所要時間短縮などの措置を通して貿易の安定的な伸びを促進する」と述べた。

(藤原智生)

(中国)

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