香港政府、スタートアップに共同出資する民間ファンドリスト発表

(香港)

香港発

2018年07月30日

香港特別行政区政府(以下、香港政府)創新科技署は7月24日、香港政府が設立したスタートアップ企業向けファンド「創科創投基金」(Innovation and Technology Venture Fund:ITVF)と、共同でスタートアップ企業に出資を行う民間ファンドのリストを発表した。

スタートアップに対する政府出資が本格化へ

香港政府は2017年9月から2018年1月にかけて、ITVFとスタートアップ企業に共同で出資する民間ファンドを募集し、14のファンドが応募した。選考の結果、以下の5つのファンドが、ITVFのパートナーファンドとして選定された。

  • Beyond Ventures I Fund LP
  • BVCF IV,LP
  • Hendale Fund,LP
  • MindWorks Ventures Fund 3 SPC
  • X Technology Fund,LP

ITVFは、香港政府が、民間部門のスタートアップ企業への投資を促進するために立ち上げた20億香港ドル(約280億円、1香港ドル=約14円)規模の政府ファンド。出資対象となるスタートアップ企業に対し、ITVFが1、パートナーファンドが2の割合で出資する。出資に当たっては、まずパートナーファンドが出資候補先のスタートアップ企業を選定し、ITVFに当該企業を推薦。その後、共同で出資を行う流れとなる。

ITVF側が前述したパートナーファンドと共同で出資するに当たり、各民間ファンドに割り当てた出資資金の上限は4億香港ドル(5つのパートナーファンド合計で20億香港ドル)。各スタートアップ企業に対するITVFの出資上限額は5,000万香港ドルとなっている。

なお、出資対象となるスタートアップ企業の要件は以下のとおり。

  1. 設立後7年以内で、かつ拠点の1つ〔統括本部あるいは地域拠点(Regional Office)〕が香港に設置されていること、もしくは主要業務が香港で行われていること、もしくは主要な経営管理部門が香港に所在していること。
  2. 当該企業および子会社がイノベーションや技術関連の業務に従事しており、研究開発や生産チェーンのいずれかの段階の業務が香港で実施されていること。
  3. 当該企業および子会社の従業員数(香港および香港域外も含む)が250人未満であること。

(中井邦尚)

(香港)

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