好調な国内乗用車市場、ディーゼル車のシェアは低下

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2018年07月13日

ドイツ自動車産業連合会(VDA)および連邦自動車局(KBA)は7月3日、2018年上半期の国内の乗用車新規登録台数を183万9,000台と発表した(表1参照)。前年同期比で2.9%増加した。VDAはまた、ドイツの2018年通年の新規登録台数が350万台に達し、前年比で1%増加すると予測している。

国内市場が堅調に推移する一方で、2018年上半期の輸出台数は218万9,900台となり、前年同期比で2.5%減少した。ドイツ自動車メーカーの国外生産は2018年通年で1,120万台と3%増加する一方、国内生産は550万台と3%の減少を見込んでいる。

表1 ドイツ乗用車市場の動向

2018年上半期の新規登録台数を主要ブランド別にみると、フォルクスワーゲン(VW)は36万1,659台と前年同期比8.6%増加し、シェア首位を維持した(表2参照)。一方、メルセデス・ベンツは16万2,614台、アウディは15万1,353台となり、前年同期比ではそれぞれ2.7%、2.0%減少した。日系ブランドをみると、トヨタの新規登録数は4万4,701台で6.5%増加した。一方、マツダは3万3,972台で0.9%の微減、日産は3万222台と16.9%減少した。

表2 主要ブランド別乗用車新規登録台数(2018年上半期)

2018年上半期の新規登録台数のシェアを燃料別にみると、ディーゼル車は32.1%で、前年同期より9.2ポイント減少した(表3参照)。2018年2月にはドイツの連邦行政裁判所が国内2都市のディーゼル車乗り入れ禁止を認めたほか、5月からはハンブルク市が基準を満たさないディーゼル車の市内中心部の乗り入れを禁止するなど、国内ではディーゼル車に対する批判的な見方が増え、2015年のVWによるディーゼルエンジンの排ガス不正問題の発覚以降、シェアの低下が続く(2018年6月1日記事参照)。一方、ガソリン車販売台数のシェアは、ディーゼル車の低下により、2018年上半期では63.1%と増加傾向が続く。ハイブリッド車および電気自動車(EV)のシェアは、それぞれ3.3%(前年同期:2.1%)、0.9%(0.6%)と、いずれも低い水準にとどまっているものの成長基調を維持している。

表3 燃料別新規登録台数とシェアの推移

(ベアナデット・マイヤー、森悠介)

(ドイツ)

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