越境EC総合試験区、新たに22都市に追加

(中国)

中国北アジア課

2018年07月24日

7月13日に開かれた国務院常務会議で、新たに北京、フフホト、瀋陽、長春、ハルピン、南京、南昌、武漢、長沙、南寧、海口、貴陽、昆明、西安、蘭州、アモイ、唐山、無錫、威海、珠海、東莞、義烏の22都市に越境EC(電子商取引)総合試験区(以下、試験区)を設置することが発表された。

試験区は2015年3月に杭州、2016年1月に天津や上海など、これまで沿海地域や大都市を中心に13都市に設置されているが、今回新たに設置された都市には、県級市でありながら生活雑貨の物流基地として有名な義烏市が含まれている。政府は追加都市の選考基準について、ECの基礎条件が整った輸出入の発展の潜在力が高い地域、かつ、中西部や東北部に比重を置いているとした。

試験区の増設については、7月2日に公布された「輸入の拡大で対外貿易の平衡発展を促進するための意見」(国弁発〔2018〕53号)の中で、既存試験区の経験を参考に試験地域を拡大していく方針が示されている(第13条)。また、同意見では、越境ECの小売り輸入について、現在、過渡期として暫定措置が取られている監督管理の具体方案の整備を進め、「越境EC小売輸入商品リスト」(ポジティブリスト)の調整を加速させていくとしている。

暫定措置が取られているのは化粧品や幼児用粉ミルクなど一部の指定商品で、現在、初回輸入時に必要となる輸入許可証、登録、届け出については2018年末まで免除している(2017年10月10日記事参照)。既に2017年と2018年の2度にわたり延長されている猶予措置や2019年以降の関連方案の整備に注目が集まる。

(方越)

(中国)

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