BRICS首脳会議が南アで開催、保護主義への反対で一致

(南アフリカ共和国、ブラジル、ロシア、インド、中国)

ヨハネスブルク発

2018年07月31日

第10回BRICS首脳会議がヨハネスブルクで、7月25~27日の3日間にわたり開催された。南アフリカ共和国での開催は2013年に続き2度目で、今回のメインテーマは「アフリカにおけるBRICS:第4次産業革命における包括的成長と共栄のための協力」だった。

首脳会議には、ホスト国として議長を務めた南アのラマポーザ大統領をはじめ、中国の習近平国家主席、インドのモディ首相、ロシアのプーチン大統領、ブラジルのテーメル大統領らが参加したほか、トルコのエルドアン大統領、アルゼンチンのマクリ大統領や南部アフリカ開発共同体(SADC)加盟国の首脳らも参加した。

初日の開会セッションでは、ラマポーザ大統領と習国家主席が、WTO規則に基づく多国間自由貿易体制の維持を呼び掛け、米国の保護主義に反対する姿勢を明確にした。習氏は「保護主義や一国主義は新興国経済に(負の)影響を及ぼす。従って、BRICSは互いのパートナーシップをさらに深化させ、経済・安全保障の基盤とすべき」と発言し、BRICSの団結の必要性を強調した。また、プーチン大統領はBRICS加盟国が設立・出資する新開発銀行の構想を支持・評価した(2018年7月27日記事参照)。

首脳会議2日目に加盟国首脳が署名した「ヨハネスブルク宣言」では、合計で102の声明が承認された。上記の多国間自由貿易の維持と保護主義への反対に関する表明のほか、国連安全保障理事会の構造改革の提案や、気候変動に関するパリ条約に基づいたエネルギー政策の協力(BRICSエネルギー研究協力プラットフォームの設立)、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」へのさらなる協力などが約束された。なお、次回の第11回首脳会議は2019年にブラジルで開催されることも決定した。

(高橋史)

(南アフリカ共和国、ブラジル、ロシア、インド、中国)

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