SSTの売上税10%、サービス税は6%

(マレーシア)

クアラルンプール発

2018年07月18日

リム・グアン・エン財務相は7月16日、物品・サービス税(GST)に代わり9月1日から再導入を予定している売上税およびサービス税(総称してSST)の基本税率を、売上税10%、サービス税6%と発表した。いずれもGSTに移行した2015年4月1日以前のSSTの税率と同じ。

SST法案は8月に成立の見通し

政権交代後初めてとなる通常国会が7月16日に開会した。SST再導入に関する法案は8月中に成立し、9月1日に再導入される見通し。

SSTの再導入に当っては、2017年のGSTによる税収(推定額)が438億リンギ(約1兆2,264億円、1リンギ=約28円)だったのに対し、GST導入前の2014年のSSTによる税収が172億リンギと半分以下だったことから、差額分の財源確保が懸念されてきた(2018年5月22日記事参照)。リム財務相は「2018年9~12月のSSTの税収は約40億リンギになる」と見込むほか、差額分の財源に関しては、重複や緊急性の低い事業の縮小や中止などにより100億リンギ相当のコスト削減を行うとしている(「ニュー・ストレーツ・タイムズ」紙7月17日)。

課税対象品目・サービスの詳細は未発表

7月17日現在で、課税対象の品目・サービスやライセンス登録の条件など、税率以外の詳細は発表されていない。9月1日にSSTが再導入される場合、準備期間は2カ月未満とタイトだ。日系会計士事務所によると、準備期間が短いため、新たなSSTの制度は旧制度とほぼ同様になるのではという。旧制度では売上税は、マレーシア国内で製造された物品が国内〔免税地域、保税工場(LMW)、保税倉庫などを除く〕で販売される場合および課税品目が国内消費を目的として輸入される場合に課税されたが、売上税ライセンスを持つ製造業者が原材料などを国内調達または輸入する場合などには課税が免除されるパターンもあった。SSTの再導入に備え、製造業者については自社の調達ルートなどをあらためて確認しておくことが重要だろう。

(田中麻理)

(マレーシア)

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