商工省が訪日ロードショーで投資呼び掛け

(インド、日本)

ニューデリー発

2018年07月17日

インド商工省産業政策促進局(DIPP)のシャイレンドラ・シン特命次官を筆頭とする政府ミッション団が6月25~29日、東京、大阪、名古屋を訪問した。「メーク・イン・インディア」ロードショーと題し、各地で投資誘致セミナーを開催し、投資に関心のある日本企業と面談した。ロードショーには、食品加工省のダルメンドラ・シン・ガングワル特命次官、投資誘致機関インベスト・インディアのディーパク・バグラ社長、インド工業連盟(CII)なども参加した。

6月25日に大阪、29日に東京で開催したセミナーには100人を超える参加があり、インドビジネスへの関心の高さがうかがえた。大阪のセミナーでは日東電工や堀場製作所、東京セミナーではケーヒンやファーストリテイリングがインド事業の現状と展望などについて講演した。シン特命次官は、インドにおいて「ビジネスのしやすさ」が改善したことを強調。許認可などのオンライン化、シングルウインドー化を進め、ガバナンスの効率向上に努めている点、2017年7月に導入された「物品・サービス税(GST)」によって、物流コストと時間が削減されている点などについて語り、「日本企業のインドへの投資を歓迎したい」とした。

ガングワル食品加工省特命次官は、インドの食品加工およびコールドチェーンや食品改良技術、人材育成などの関連産業の魅力を紹介。政府は23億ドルをかけ国内42カ所で、食品関連産業が入居可能なメガ・フード・パークの建設を進めており、2019年の操業を目指していると述べ、同業種における補助金、減税措置など充実したインセンティブについても強調した。

インベスト・インディアのバグラ社長は、平均年齢が29歳というインドの若く豊富な人材の強みやGDPの7割弱を占める国内消費の底堅さなどについて触れるとともに、「進出検討の際はインベスト・インディアがインド側の相談窓口となるので、ぜひ積極活用してほしい」と語った。

セミナー参加者からは、「インドの成長スピードの速さ、潜在的なパワーを感じた」などの声が聞かれた。

他方、個別面談は、インド政府の重点投資誘致分野である食品加工、電気・電子、IT/人工知能(AI)関連を中心に3都市で40件以上実施され、インドで新規進出や事業拡大を検討する日本企業がビジネス拡大計画における不安や課題を政府高官に直接相談する場となった。

政府側は、必要な情報や機関の紹介、次のステップに進むための手順を示すなど、具体的に回答し、参加企業からは「貴重な機会となった。このつながりをぜひ今後の事業展開に生かしたい」との反応があった。

(古屋礼子)

(インド、日本)

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