11月のコロラド州知事選、民主・共和両党の候補決まる

(米国)

ロサンゼルス発

2018年07月02日

コロラド州で6月26日、任期満了を迎えるジョン・ヒッケンルーパー知事(民主党)の後任を決める州知事選の予備選挙の投票が締め切られ、民主党からは連邦下院議員のジャレド・ポリス氏が、共和党からは州財務長官のウォーカー・ステイプルトン氏が、それぞれ2位以下の候補を大きく離して選出された。両候補は11月6日の州知事選に向けて選挙戦を続けていく。

ポリス氏はIT起業家の経験が長く、その後コロラド州の教育理事を経て、2008年から連邦下院議員を務める。ステイプルトン氏は投資銀行で実績を積んだ後に上場企業の最高財務責任者(CFO)や最高経営責任者(CEO)を務め、2011年から同州財務長官を務めている。両氏とも、ビジネスおよび政治・行政での豊富な経験を有する。

予備選では、移民政策、オバマケア、銃規制、教育など生活に身近なテーマを中心に、民主党のポリス氏はトランプ大統領の政策を批判する公約を、共和党のステイプルトン氏はおおむね支持する公約を掲げた。ただし、両氏とも大統領の追加関税賦課措置や「貿易戦争」は州経済を害する恐れがあると警告した。

コロラド州は、航空宇宙やテクノロジー・ITなどの産業集積が人口増加にもつながり、州の経済成長率は高い。ポリス氏は失業率が低水準の半面、住民は生活費の高騰に悩まされていると訴え、購入可能な住宅の提供や物価高騰地域での最低賃金引き上げを主張した。一方ステイプルトン氏は、交通渋滞や住宅不足などインフラ整備の遅延対策を挙げるとともに、民主党が主張する政府主導の新エネルギー政策は石油・天然ガス産業の23万人の雇用を奪い、450億ドルの経済的損失を被ると強く反対したとする報道もあった。

コロラド州では伝統的に中道派や穏健派の候補が強いといわれる中、2007年以降民主党候補が勝利している州知事の椅子を共和党が奪回するのか、両候補の選挙戦に注目が集まる。

(北條隆)

(米国)

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