スタジオジブリの展覧会、中国本土へ初上陸

(中国)

上海発

2018年07月09日

アニメーション映画「天空の城ラピュタ」の飛行艇が、上海の摩天楼に現れた。スタジオジブリ(中国語名:吉ト力工作室)が、宮崎駿監督らの数々の名作を引き連れて、中国上陸を果たした。7月1日から上海市の上海環球金融中心で、中国本土におけるジブリ初の展覧会「World of GHIBLI in China」が開催されている。期間は99日間。「『となりのトトロ』上映30周年記念-ジブリのアートの世界」と「天空の城-ジブリの飛行夢想」の2つの企画展も同時開催されている

写真 「World of GHIBLI in China」開幕式の様子(ジェトロ撮影)

ジブリ作品は中国の幅広い世代に愛され続けている。日本の人気アニメ・特撮コンテンツの版権を一手に引き受けている上海新創華文化発展(SCLA)が長年かけてジブリに働き掛けてきた結果、今回のイベントの実現に至った。SCLAによると、中国の検索エンジン百度(バイドゥ)での「ジブリ」をキーワードとした検索件数は1日当たり約1万6,000件で、「ディズニー」の3倍に上るという。今回の展示では、ジブリの作品に登場した「ネコバス」に乗り込んでもらうなど、来場者は独創的な世界感を体験できる。SCLAはジブリの魅力を中国で一層発信していきたいとしている。

写真 趣向を凝らした企画展「ジブリのアートの世界」の看板(ジェトロ撮影) 

スタジオジブリの星野康二会長は開幕式で、「三鷹の森ジブリ美術館にも連日、中国から多くの方々にお越しいただいており、ここ上海を起点に中国大陸でもジブリの新しい視覚体験を味わってもらい、中国の皆様にも喜んでほしい」と抱負を述べた。

写真 あいさつするスタジオジブリの星野会長(ジェトロ撮影)

ちなみに、会場の上海環球金融中心は森ビル(東京)が手がけた超高層ビルとして知られる。

(林真彦)

(中国)

ビジネス短信 a5a62358fb3b44ad