6月のCPI上昇率は前月比0.1%、3カ月連続プラスに

(米国)

ニューヨーク発

2018年07月17日

労働省が7月12日に発表した2018年6月の消費者物価指数(CPI)は前月比(季節調整値)0.1%上昇と、3ヵ月連続のプラスとなった(5月:0.2%上昇)。家賃(0.1%)やガソリン(0.5%)などが上昇に寄与した。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数も0.2%上昇した。

米国連邦準備制度理事会(FRB)などが重視しているコア指数を品目別にみると、娯楽品(前月比0.2%下落)や家具・家庭用品(0.2%下落)などが押し下げ要因になったものの、家賃(0.1%上昇)や自動車保険などを含む運輸サービス(0.2%上昇)などが押し上げに寄与した。

食料品が前月比0.2%上昇と引き続きプラスになった一方で、エネルギーは0.3%下落と前月(5月:0.9%上昇)からマイナスに転じた結果、CPIの伸びはコア指数の伸びを下回った。

前年同月比では6年4カ月ぶりの高水準

前年同月比については、CPIが2.9%上昇となり、2012年2月(2.9%上昇)以来、6年4カ月ぶりの高い伸びになった。コア指数も2.3%上昇し、2017年1月(2.3%上昇)以来、1年5カ月ぶりの伸びだった。

コア指数に含まれないエネルギーが前年同月比12.0%上昇(5月:11.7%上昇)、食料品が1.4%上昇(5月:1.2%上昇)といずれもプラスとなったことにより、コア指数の上昇幅はCPIの上昇幅よりも小さかった。

ウェルズ・ファーゴ証券のシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は、今後数カ月の見通しについて、「コア指数の前年同月比に大きな動きがあるとは思えない」が、「消費財(価格)を直撃する可能性のある(トランプ政権による)追加関税の賦課は、下半期のインフレ予測に対する上振れリスクとなる」と指摘した(ロイター7月12日)。

(樫葉さくら)

(米国)

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