2017年度の製造業外国投資認可額、約3割がセメント

(ミャンマー)

ヤンゴン発

2018年07月10日

ミャンマー投資企業管理局(DICA)が公表した、2017年度(2017年4月~2018年3月)の製造業の外国投資認可額〔経済特区(SEZ)を除く〕は17億6,900万ドルで、2013年度の18億2,000万ドルに次ぐ過去2番目に多い認可額だった。2015年度は10億6,000万ドルに減少したものの、近年は順調に回復している。

分野別の内訳をみると、セメントが認可額全体の約3割を占め、次いで日用消費財、アルコール飲料が金額順で上位になっている(表参照)。また、委託加工による衣料品、靴、カバンなどの製造は、金額ベースでは全体の2割弱にとどまるが、件数ベースでは123件と認可件数全体の約6割を占めている。

表 製造業の外国投資認可額の内訳(2017年度、金額上位順)

なお、DICAでは以前から「追加投資」を統計上、件数には反映させず、金額にのみ反映している。2017年度の製造業認可は、136件、17億6,000万ドルと公表されているが、実際には追加投資の66件を加えた202件が全体の認可件数となる。

食品加工、家畜・魚用飼料、オートバイなど分野に広がりも

これまであまりなかった分野への投資も増えている。食品加工では国内産の農水産物を原料として利用する案件や、輸入小麦を使用して製造した食品を国内販売する案件などがある。今後、養殖事業が増加するのを見据え、それらの事業者に供給する飼料を製造する案件も増加している。また、オートバイの組み立て事業が新規で4件認可されており、こちらも新しい動きだ。従来、ミャンマーの製造業は委託加工型縫製業が中心だったが、最近では同分野以外への投資も着実に進んでいる。

なお、DICAの統計には含まれていないものの、日本とミャンマーの官民共同事業であるティラワSEZにおいては、開業当初から自動車関連、電子部品、縫製、製靴、食品加工、建材、梱包(こんぽう)資材、ゴム製品、化学など、さまざまな分野への投資が行われている。

(田原隆秀)

(ミャンマー)

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