登記企業数が初の400万社台、伸びは減速

英国企業登記局は6月28日、2017年度（2017年4月～2018年3月）の英国の企業数に関する統計を公表した。登記されている企業数（2018年3月末時点）は、403万3,355社と初めて400万社の大台に乗った。しかし、企業数の伸びには減速傾向がみられる。

2010年度末（2011年3月末時点）に約270万社だった企業数は、堅調な伸びを続け、前年度比6％弱から6％台後半以上の安定した増加率を維持してきたが、2017年度は3.5％増と減速した。これは、2017年度の登記件数が前年度比3.8％減の62万285件に対し、登記抹消件数が12.4％増の49万738件で両者の差が大幅に縮まったためだ。

地域ごとの企業数では、イングランドおよびウェールズは3.5％増の376万5,935社（構成比93.4％）、スコットランドは3.6％増の20万8,970社（5.2％）、北アイルランドは5.9％増の5万8,450社（1.4％）だった。

企業年齢は2000年で平均10.7年だったのに対し、登記と抹消件数が大幅に増えたことで2018年は8.5年と短くなっており、約半数が5年未満、約7割が10年未満、20年以上の企業は約1割だった。業種別の企業数では専門サービス業が最も多くなっており、2016年度からの増加率では不動産業や宿泊・飲食サービス業、輸送・倉庫業などが拡大傾向にある。

英国外からの企業数は1万1,503社で、そのうち米国が2,511社（構成比21.8％）と最も多く、アイルランドが964社（8.4％）、チャネル諸島（注）が844社（7.3％）と続いた。また、EU加盟国からの企業数は3,515社（30.6％）となっている。

2017年度の海外からの年間登記数は前年度の766件より41件増の807件となっており、登記の多かった国・地域は、チャネル諸島からが127社（15.7％）、米国からが95件（11.8％）、アイルランドからが86件（10.7％）だった。全体としては年間登記数が増加している一方で、2016年度以降、EU加盟国からの登記数は伸びの減速がみられており、2015年度から2017年度にかけては、308件、293件、285件となった。

（注）チャネル諸島は独自の政府、法律を有するため、統計上では域外扱いとなっている。

（鵜澤聡）