首脳の往復外交で信頼醸成進む

(エチオピア、エリトリア)

アディスアベバ発

2018年07月18日

エリトリアのイサイアス・アフォルキ大統領が7月14日から3日間、エチオピアの首都アディスアベバを公式訪問した。16日にアディスアベバのエリトリア大使館が業務を再開しており、1998年に発生した国境紛争以来、緊張状態が続いていた両国の外交関係が再開した。

18日にはエチオピア航空が最新型機(B-787)でエリトリアの首都アスマラへの直行便を就航させる。当地報道では、就航便の搭乗券は発売後の数時間で完売したという。。

「戦争状態の終息」を確認

7月8日には、エチオピアのアビィ・アハメド首相がアスマラを訪問しており、両国首脳は翌9日に「平和および友好関係に関する共同宣言」に署名した。共同宣言では、「戦争状態の終息」を確認しており、併せて「政治・経済・社会・文化および安全保障における緊密な協力関係の構築」「運輸・貿易・通信および外交関係の再開」「国境に係る決定の履行」「地域の平和、発展および協力を確保するための協働」をうたっている。

イサイアス大統領が来訪した14日は、アディスアベバのボレ国際空港から市内中心部に向かう沿道に朝から多くの人が詰めかけ、交通規制も敷かれた。集まった人々は両国の国旗を掲げるなどして、イサイアス大統領の歴史的な訪問を歓迎した。「エチオピア・ヘラルド」紙(7月15日)は、その様子を見たイサイアス大統領の「人々の歓迎ぶりが何にもまして愛と平和を物語っている」との発言を伝えた。

イサイアス大統領は15日には、エチオピア南部諸民族州のハワッサ工業団地を訪問し、アディスアベバでの文化交流イベントにも参加した。席上、アビィ首相は、前週のロンドンでのエチオピア国債の価格上昇に触れ、その要因を2国間の和平によるものだとし、「もし両国が共同で将来の経済計画案を発表したらどうなるだろうか」(「エチオピア・ヘラルド」紙7月17日)と述べた。経済界も両国の関係改善に期待を寄せている。

(関隆夫)

(エチオピア、エリトリア)

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