日本から供給の風力発電機器がヤクーツクに到着

(ロシア、日本)

モスクワ発

2018年07月27日

サハ共和国(ヤクーチヤ)政府の発表(7月16日)によると、日本から供給された風力発電用のタービンなどの機器がヤクーツクに到着した。風力発電設備は5月21日に大阪からウラジオストク商業港に到着し、7月12日にウラジオストクから18台のトラックでヤクーツクに発送された。ウラジオストクからヤクーツクまでの距離は約3,100キロあり、北海道と沖縄間を超える距離だ。

7月16日にヤクーツクで荷船に積み替えられ、レナ川を通じて最終仕向け地の北極海に面するティクシ港まで輸送される。到着後、ティクシ市で据え付け作業と試運転を2018年末までに実施する予定だ。2019年には風力発電設備に連動する3基のディーゼル発電機と蓄電装置が設置され、2020年のフル稼働を目指す。

本事業は日ロ共同プロジェクトで、日本側が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、三井物産、東光高岳、駒井ハルテック、ロシア側がサハ共和国政府、電力大手ルスギドロ、同子会社サハエネルゴが関わる。2月に関係組織・企業間で風力発電システムを含むエネルギーインフラ実証事業協力に関する文書が締結された。共同プロジェクトの合意書では、日本側が機器を無償で供給し、ロシア側のルスギドロが機器の輸送や建設・据え付けを担当する。

ルスギドロの発表(7月10日)によると、ティクシ市に住む4,600人分の電力を供給できる見込みで、これまで遠方から輸送していた発電用燃料への依存度を抑えることができる。風力発電機の高さは41.5メートル、ブレードの長さは33メートルで、北極圏でも稼働が可能な極寒地仕様となっている。

駒井ハルテックなどはNEDOの実証事業として、既にカムチャツカ地方で風力発電施設を設置した実績を持つ。2016年1月に運転を開始した同施設は、同年に毎時1,500ギガワットを発電、400トンの軽油を節約した(現地メディア「イースト・ロシア」2017年3月10日)。

(タギール・フジヤトフ)

(ロシア、日本)

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