大手による囲い込みが進む、豪EC市場セミナーを開催

(オーストラリア)

シドニー発

2018年07月04日

ジェトロは6月19日、シドニーでeコマース市場セミナーを開催した。オーストラリアではアマゾン・ドット・コムが同日、国内向けサイト「Amazon.com.au」での送料無料や、映像コンテンツの無制限視聴などのサービスが受けられる有料会員制サービス「アマゾン・プライム」の開始を発表。ライバルのイーベイも6月15日に有料会員サービス「イーベイ・プラス」を開始するなど、大手eコマース企業による利用者の囲い込みが活発化している。

セミナーでは日豪ビジネスクリエーターズ(Japan Australia Business Creators)社長の木名瀬晴彦氏がこれらeコマース企業の動向を紹介。囲い込みの背景には、2018年7月からの越境ECに対する物品・サービス税(GST)課税の強化(2018年6月6日記事参照)があるとした。

ジェトロは2月に実施した「豪州の一般消費者に対するeコマース利用についてのアンケート調査の結果」(添付資料参照)を発表した。オーストラリアのeコマース利用者には下記のような特徴があることが明らかになった。

  1. eコマースの利用者のうち、8割以上は越境電子商取引(EC)の利用経験がある(資料9ページ参照)。
  2. 利用者は、海外サイトに比べて国内サイトには品ぞろえの面でやや不満を持っている(資料15ページ)。しかし、国内サイトに関しては「特に嫌いな理由はない」と回答する割合が海外サイトよりも高く、信頼を寄せている(資料16ページ)。
  3. 米国をはじめとする海外サイトの豊富な商品ラインアップを享受しつつも、国内サイトに比べるとサービスに対する不満が多い(資料16ページ)。
  4. 各サイトの利用率は、実店舗とオンラインの両方で販売している(オムニチャネル対応)企業のサイトの利用率が高い。

なお6月26日、ジェトロはメルボルンでも同じ内容のセミナーを開催した。

(佐藤創)

(オーストラリア)

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