北朝鮮の2017年GDP成長率はマイナス3.5%

(韓国、北朝鮮)

ソウル発

2018年07月30日

韓国の中央銀行である韓国銀行は7月20日、北朝鮮の2017年の実質GDP成長率が前年比マイナス3.5%だったとする推計結果を発表した(注)。

産業別では、サービス業(プラス0.5%)を除き、ほとんどがマイナス成長に転じた(表参照)。農林漁業はマイナス1.3%、鉱業は石炭生産の急減によりマイナス11.0%、製造業はマイナス6.9%に落ち込んだ。

表 北朝鮮の産業別実質GDP成長率推移(推定値)

韓国銀行の姜チャング次長は「2015年にマイナス1.1%に落ち込んだ北朝鮮のGDP成長率は2016年に3.9%と(プラスに転じ)、1999年(6.1%)以来の高い水準となったが、2017年は国際社会の制裁強化と干ばつの影響により、1997年(マイナス6.5%)以来、20年ぶりの低水準となった」と説明した。

韓国政府系シンクタンクである統一研究院の林ガンテク博士は「国連の安全保障理事会が2017年から、北朝鮮の主力輸出品(石炭、鉄鋼など)の輸出を禁止した影響が大きい。また、水力発電への依存度が高い北朝鮮経済において、干ばつによる水力発電量の減少が重化学工業の生産不振につながった。2018年もマイナス成長になる見込みだ」と分析した。

(注)韓国銀行は1991年から、韓国内の関連機関から北朝鮮の経済活動に関する基礎資料の提供を受け、「北朝鮮の経済成長率」を推定している。推定方法は、韓国において国民所得を推計する際に用いる国連の「国民経済計算(SNA:System of National Accounts)」を採用している。

〔李丙鎬(イ・ビョンホ)〕

(韓国、北朝鮮)

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