深セン市と中山市をつなぐトンネルプロジェクトが着工へ

(中国)

広州発

2018年07月10日

広東省交通集団は6月28日、深セン・中山街道の海底トンネル部分の工事請負契約を締結したと発表した。街道は、広東省を流れる珠江河口部の対岸にある深セン市と中山市を海上でつなぐ。海底トンネル部分の工期は64カ月で、2024年の全線開通を目指す。契約締結により、遅延していた同プロジェクトが本格的に進展する。

深セン市~中山市間が2時間から30分に短縮

街道は全長約24キロ、うち橋の部分が約17キロ、海底トンネル部分は6.8キロを占める。制限速度は時速100キロで、全線開通により深セン市~中山市間の移動時間が2時間から30分へ短縮される。全線開通を見越して、既に中山市の不動産価格が上昇している、と報じられている。

海底トンネルは橋の部分の先端にある西人工島と深セン市側の東人工島を結ぶ。世界初となる片側4車線の鋼殻コンクリート函体を使用した、沈埋トンネルプロジェクトとされている。使用される鋼の量は32万トン。2020年8月~2022年6月に函体の沈設を進める。

深セン・中山街道は、国家発展改革委員会による2008年の「珠江デルタ地区改革発展計画綱要(2008~2020)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで提唱され、2015年に中央政府の批准を受けた。当初、全線開通は「2020年以降」とされていたものの、「技術面での問題」(広東省財政庁)によりプロジェクトの進行は遅れている。橋の部分も20184月に契約が締結されたばかりで、9月に着工する予定だ。

(河野円洋)

(中国)

ビジネス短信 48a67dedbb216cf9