AMLO氏、ペニャ・ニエト大統領と会談

(メキシコ)

メキシコ発

2018年07月04日

7月1日の大統領選挙で当選した、国家再生運動(Morena)のアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(通称:AMLO)氏は3日午前、エンリケ・ペニャ・ニエト大統領と国立宮殿で会談した。会談後の記者会見でAMLO氏は、主に北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉、新空港計画、エネルギー改革、国家予算、治安問題について話し合ったと述べた。

記者会見の冒頭、AMLO氏は、中央銀行の独立性を尊重し、財政均衡を標榜するマクロ経済政策を維持し、金融政策についても一切干渉を行わないことを強調した。記者との質疑応答で、NAFTA再交渉については交渉団の働きを評価しており、現政権の交渉体制を維持することを強調し、政権移行中は専門家を派遣してサポートを行うと述べた。

また、トランプ米大統領とは当面会談は行わないが、ポンペオ米国務長官が近いうちにメキシコを訪れると付け加えた。その他の通商テーマについては、7月24日にメキシコのプエルト・バジャルタにて開催予定の第8回太平洋同盟首脳会合にペニャ・ニエト大統領がAMLO氏を招待したことに触れ、これに応じるとした。

新空港建設やエネルギー改革についてはチームを編成して調査、検証を行うとしたほか、2019年予算の編成については選挙公約を盛り込むとし、年金給付額の引き上げや、若者の教育、労働者の権利保護対策を取り入れるとも述べた。財源の確保については、高級官僚の給与カットおよび大統領の給与を半額以下とすることを表明したほか、大統領公邸には住まず芸術文化施設として開放すること、大統領専用機はヘリコプターを含め使用せず民間機を利用とすることもあらためて表明した。

(西尾瑛里子)

(メキシコ)

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