仏山市に国家級の知的財産権保護センターが開設

(中国)

広州発

2018年07月09日

広東省仏山市禅城区緑島湖で6月26日、中国(仏山)知的財産権保護センターの開所式が行われ、国家知識産権局の賀化副局長、広東省知識産権局の馬憲民局長らが出席した(「珠江時報」6月27日)。

同センターの設立は江蘇省常州市、山東省煙台市、上海市浦東地区、湖南省長沙市に続き、中国国内5カ所目で、国家知識産権局が承認する国家級の知的財産権保護センターとしては広東省で初となる。同センターでは、仏山市内の現地企業向けに知的財産権の保護および支援サービスなど総合サービスを提供する。具体的には、専利(発明特許、実用新案、意匠の総称)の予備出願や権利侵害の申し立ての受理、権利侵害の認定および発明特許権の活用の指導などを行う。

同センターの設立により、業務の効率化と専利出願手続きの迅速化が期待される。例えば、同センターを通じて発明特許の予備出願を行った場合、国家知識産権局の申請サイトにも審査記録が残る。そのため、予備出願の後、同局の申請サイトへ正式に出願した場合、審査から登録までの所要期間が、直接、同申請サイトへ提出した場合の2年間に比べ、最短で半年間に短縮される。

6月27日付の「広州日報」によれば、仏山市における2017年の専利出願件数は7万3,948件で、前年比39.5%増となった。市内には、フォルクスワーゲン(VW)を中心とした自動車産業のほか、美的集団やギャランツなど大手家電メーカーが立地している。また、同市は世界最大の建材の産地で、この分野における知的財産権の保護強化も、同センターの重点業務の1つとされる。

(黎偉君、金光)

(中国)

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