インド政府、著作権に関する2つのWIPO条約に加入

(インド)

ニューデリー発

2018年07月18日

インド政府は7月4日、世界知的所有権機関(WIPO)の著作権に関する2つの条約〔「著作権に関するWIPO条約(WCT)」と「実演およびレコードに関するWIPO条約(WPPT)」〕に加入した。

WCTとWPPTは2002年に施行され、著作権保護の国際的枠組みであるベルヌ条約の下では保護し切れなかった、デジタル環境における著作権を保護する条約だ。2つの条約は合わせて「WIPOインターネット条約」と呼ばれ、現在96カ国が加入している。

WCTはコンピュータ・プログラムとデータベースの著作権を保護するとともに、著作者が著作物の譲渡、貸与、または公衆への展開を行う権限を有する旨の条項を含む。また、WPPTは主に実演家(役者、歌手、ミュージシャンなど)やレコード製作者の人格権の保護および経済的権利の保護について規定している。

デジタル環境における著作物の国際的保護が容易に

インドが2つの条約に加入したことで、インドと条約締約国は相互に条約内容を保護するため、デジタル環境における著作物の国際的保護が容易になる。

インド政府は「両条約の加入は、知的財産権所有者に対し、インターネットやモバイルプラットフォームを利用したeコマース(電子商取引)のビジネスチャンスを支援することにつながり、デジタル環境における著作物の商業化を通じて知的財産価値を得ることができるようになる」との見解を発表した。

なお、インド著作権法は2012年の法改正において、WCTおよびWPPTの規定に準拠した内容を含めており、今回の条約加入による著作権法の変更はないとみられる。

(羽鳥慎也)

(インド)

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